2002-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『取り扱い注意』佐藤正午著(角川文庫)

面白い。楽しい。 なんだかこれの前に読んだ『夏の情婦』とのあまりの違いに、ちょっとびっくりするくらいだ。とっても愉快でお洒落じゃないですか。佐藤さんの作品、色々読んできたけれど、こんな小説も書けたのかと以外な感じを持ったというのが、正直な感…

『夏の情婦』佐藤正午著(集英社)

またまた、佐藤正午さん。相変わらず読み続けてます。 著作が多い人ではないので、このままのペースでいくと、全部読み尽くしてしまうかな。ちなみに次も決まってます。文庫になっているはずなのに、どこの書店でも見つからないのがわりと初期の作品なのです…

『凍れる瞳』西木正明著(文春文庫)

名前は知っていたのだけれど、初めて読む西木氏の著作。フィクションとノンフィクションの境にあるような作品ということになるのだろうか。四つの短編からなる作品集で、どれも中身が濃い。こういう骨太な印象の文章というのはなんだか久しぶりに読んだよう…

『売り言葉』2002年2月16日(スパイラルホール)

野田秀樹さんの作・演出で大竹しのぶさんの一人芝居。題材は『智恵子抄』の智恵子。 一人芝居を演じるパワーって、ほんとに大変なものだろうと思うのだけれど、それをパワフルに、しかしケロッとやってみせるところに大竹しのぶさんという女優のすごさを改め…

『告白』井口俊英著(文春文庫)

いまだにず〜っと下降線をたどり続けている経済・金融の情勢の中では、もう既に忘れ去られてしまったかのような昔の話のようにも感じる事件だ。しかし当時、まだまだ不良債権の情報などがはっきり見えていないこの頃、銀行というのはもうとんでもないことに…

『バニシング・ポイント』佐藤正午著(集英社文庫)

『バニシング・ポイント』というと、まず思い浮かべるのは映画。ただの賭けのためにハイウェイをただひたすら走るというストーリーで、ラストがあまりにあっけなくカッコイイ。ちょっとヘンな映画だけど、ボクにとっては結構お気に入りの作品だ。もうテレビ…

『貧困の克服』アマルティア・セン著(集英社新書)

『自由と経済開発』の方を以前買って読み始めたのだが、あまりに読みづらい訳文で、途中で放り出してしまっていた。それに較べると、こちらは講演を文章に起こしたものなので、とても読みやすい。残念なのは、それぞれの内容が少しずつダブっているところだ…