読書(その他)

『反貧困』湯浅誠著

『反貧困』湯浅誠著(岩波新書) <本文作成中>

『さよなら、日本』柳原和子著(ロッキングオン)

(後送予定)

『街道をゆく13 壱岐・対馬の道』司馬遼太郎著(朝日文庫)

このシリーズを読むと、実際に自分の目でその地を見て、自分の足でその地を歩きたくなってしまう。今回もやはり読みながら、いつかここへ行ってみたいということを感じていた。冒頭、作者の私的な回想から始まるところが印象的だ。京都の小さな地方新聞社で…

『街道をゆく1 甲州街道/長州路ほか』

『街道をゆく1 甲州街道/長州路ほか』(司馬遼太郎著 朝日文庫)折りしもつい先日2月12日が司馬遼太郎の命日(菜の花忌)であった。『街道をゆく』の連載は、1971年(昭和46年)に週刊朝日で始まっている。最初に単行本としてまとめられた記念すべ…

『結婚の条件』小倉千加子著

『結婚の条件』小倉千加子著(朝日文庫)どこの何をきっかけに、この人、この本に行き当たったのか、すっかり忘れてしまった。社会学というのは、とても面白い学問だと思う。社会で起きている状況や現象を『なぜ』という部分から解き明かしていくこと。特に“…

『刑法三九条は削除せよ! 是か非か』呉智英・佐藤幹夫共編著(洋泉社)

たまたま本屋で本を見ていて目に付いて買った新書である。刑法三九条とは、【心神喪失及び心神耗弱】に関する条文で、第一項 心神喪失者の行為は、罰しない。第二項 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。となっている。 僕自身、やはりいくつかのニュース…

『東京装置』小林紀晴著(幻冬社)

カメラマン&著者の小林さん自身にとっての東京、これは東京に出てきてから自分が住んだいくつかの場所についての思い出など、そして、東京に住むさまざまな人に取材した、その人たちにとっての“東京”を描き出したもの。ボクはいわゆる下町育ちではないけれ…

『Asian Japanese1』小林紀晴著(新潮文庫)

先日『写真学生』を読んだ小林紀晴さんの写真と文章によるノンフィクション。いつも思ってしまうのだが、写真が撮れて、文章が書ける人は本当に羨ましいなあと思う。この本は写真のウェイトと文章のウェイトを比較すると、圧倒的に文章のウェイトのほうが大…

『写真を見る眼』長谷川明著(青弓社)

“戦後日本の写真表現”というサブタイトルがついたこの本は、濱谷浩や土門拳、木村伊兵衛あたりから、森山大道、荒木経惟まで、15人の写真家の代表的な写真集をとりあげ、写真表現の歴史的な意義や位置付けなどを解説している。 ボク自身、本当の意味で写真…

『写真家のコンタクト探検』松本徳彦著(平凡社)

(“コンタクト”とは、所謂“ベタ焼き”のこと。) お手軽なカメラで、露出をカメラに頼ったり、あるいは露出もスピードもカメラに頼ったり、さらにはその上ピント合わせまでカメラに頼る、そういう写真の撮りかたに慣れていると、同じ被写体を何枚も写すという…

『旅するカメラ2』渡部さとる著(耷文庫)

時々日記の中でも紹介したワークショップの先生の著作。どれくらい前からなのか忘れてしまったが、僕にとっては、同じさるさる日記をつけておられたこの人の日記を読み始めたところから、ほんの小さなつながりが始まった。当初はカメラマンである渡部さんの…

『吉行淳之介エッセイ・コレクション2』荻原魚雷編(ちくま文庫)

ちくま文庫で全4巻で刊行が始まった吉行淳之介エッセイ集の2巻、副題として“男と女”が付いている。 自己紹介のところで、好きな作家にもあげているのだけれど、こうして書いたものを読むのは随分と久しぶりのことだ。 僕が本(小説)に興味をもってから、…

『二十世紀を見抜いた男 マックス・ヴェーバー物語』長部日出雄著(新潮社)

奥付を見ると2000年7月となっている。多分その頃に買った記憶はあるので4年越しの読書ということになる。といっても買ってすぐに五分の一ほどまで読んで、そのまま放置。今回改めてまた最初から読み直して読了というわけだから、積読が長かったという…

『ファントム・ペイン』鴻上尚史著(白水社)

2001年の9月に公演された、第三舞台の10年封印前の最後の作品の戯曲。 この舞台は、勿論見ていたが、ホームページを始める少し前であったので、実際に感想文を書いてはいたもののレビューに掲載することはなかった。パソコンの古いデータから探し出し…

『銭湯の女神』星野博美著(文春文庫)

エッセイらしいエッセイと言えるだろう。初めて読んだ著者だけれど、年齢の割にとってもまっとうな意見を述べているエッセイだと思った。 今の世の中、色々なことが多様化してきて、いわゆる“普通”の感覚というものが明確でなくなってきているようなところが…

『ぐろぐろ』松沢呉一著(ちくま文庫)

先日のレビューに書いた、松沢氏の今月の新刊の一冊。といっても、もちろん書き下ろしでもなければ、ずい分古いもので、『Burrn!』というロック系の雑誌に連載されていたエッセイを中心にまとめたもの。本人も書いてはいるのだが、音楽とはまったく関係もな…

『小説の秘密をめぐる12章』富岡多恵子著(文藝春秋)

小説を書きたい(あるいは書きたいと思っている)人に向けた、小説指南ともいえる本だろう。小説の秘密というものを知る面白さもある。例として取り上げられている作家が、多少古いのではないかな、という感じもしないではないのだけれど、その秘密は古い・…

『ありのすさび』佐藤正午著(岩波書店)

あとがきの中で、前のエッセイからは百万年たってしまった、と著者が書いている通り、それだけの時を感じるような印象の違いはある。佐藤正午という作家の変化というよりも、物事を見る目とか、それを捉える心のありよう、あるいはそれを表現するときの穏や…

『熟女の旅』松沢呉一著(ポット出版)

なんだかな、というタイトルですが、最近お気に入りの松沢呉一氏の1999年出版の著作。この人の本、どれを読んでも面白いです。 ところで"熟女"というのはパソコンで変換しても出てきません。それなりに聞く言葉のような気はするのですが、未だ世間一般に…

『魔羅の肖像』 松沢呉一著 (新潮OH!文庫)

ぶ厚く、読みでがある本である。しかも内容は全編"オ○○コ"と"オ○ン○ン"に関する話。 自分が読んでおいてよく言うが、実際、誰が読むのだろうと考えてみると、よくも文庫化されたものだと思う。全編"オ○○コ"と"オ○ン○ン"に関する話、といってもどのような内容…

『見仏記2』いとうせいこう/文・みうらじゅん/絵(角川文庫)

最初の本(1巻)の最後は、いとう氏とみうら氏が、三十三年後に三十三間堂の前で再開し、再び“見仏”の旅をするという約束で感動的(?)に締めくくられているのだけれど、何故か1巻の次の年にふたたび見仏の旅に出た二人の“見仏記2”なのである。 1巻の感…

『エロ街道五十三次』『大エロ捜査網』松沢呉一箸(青弓社)

二冊まとめてしまうのは、本意ではないのだが、姉妹本のようなものでもあるので許されたい。以前『エロ街道を行く』(ちくま文庫)でも取り上げた松沢呉一氏の二冊。あちこちの雑誌などで連載していたものをまとめた物であるようだ。再版は著者の意向でしな…

『辻音楽師の唄(もう一つの太宰治伝)』長部日出雄著(文春文庫)

今年の1月に読んだ『桜桃とキリスト』の前編にあたる太宰治の伝記。生まれたときから作家として世に出るあたりまでのことがまとめられている。この文庫版のあとがきにもあるのだが、この本が出たあとでNHKの教育テレビで、長部日出雄氏が太宰治の縁の場…

『見仏記』いとうせいこう/文・みうらじゅん/絵(角川文庫)

我が家の夫婦は、散歩友達でもあり“読書友達”でもある。お互いに好みの本について聞き、話し、勧めるわけである。勧められなくても相手が読んだ本は家の中に並んでいるので、“なんかないかなあ・・・”と書棚をあれこれ探して、ちょっと読んだことのない本を…

『ふざけるな専業主婦』石原里紗箸(新潮OH!文庫)

別にこの本について書きにくいことがあったから、レビューページの更新が滞ったわけではないんですがね・・・・・・。でも、少々書きにくいことは確かなわけで・・・・・・。 この方、“専業主婦”という女性のポジションが相当に嫌いなようです。なんたってこ…

『もう消費すら快楽でない彼女へ』田口ランディ箸(幻冬社文庫)

久しぶりに“ガツン”ときた感じの一冊。面白い本でありました。 タイトルについてちょっと考えてみる。“もう消費すら快楽でない”ということは、裏返した意味は“消費とは快楽である”ということ。さらに“消費すら”の“すら”をしっかり意識するならば、“消費とは…

『突破者入門』宮崎学著(角川文庫)

先日、日記にもちょっと書いたのだけれど『突破者』は、ノンフィクションとしてとても面白く読める本だと思う。現在は幻冬社の文庫で読めるのでオススメです。その後何冊か突破者シリーズの本が出ているのだけれど、これもその一冊。 といってもあとがきを読…

『落語長屋の四季の味』矢野誠一著(文春文庫)

『落語食譜』というタイトルで国立劇場演芸場のパンフレットに連載したものをまとめ直したもの、とあとがきにある。この本とは何の関係もないのだけれど、僕自身、落語はナマでは数えるほどしか聞いていない。興味はかなりあるのだけれど、なかなか機会を持…

『私の絵日記』藤原マキ著(学研M文庫)

つげ義春さんの漫画・旅のエッセイが好きということは先日書いたけれど、これはつげ義春氏の奥さん藤原マキさんの絵日記。1999年に亡くなられたそうなのだが、ここには1982年に出版された絵日記から、1991年頃までに書かれた絵や文章がまとめられている。つ…

『桜桃とキリスト(もう一つの太宰治伝)』長部日出雄著(文藝春秋社)

およそ本(小説)好きの人であれば、ほとんどおそらく、ある時期に、太宰治という作家に熱中した経験があるのではないか。ボクの場合も、母親から薦められた『津軽』をきっかけにして、中学から高校にかけて、次から次へと続けて読んだ経験がある。 しかし、…