2003-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『グロテスク』桐野夏生著(文藝春秋)

“東電OL殺人事件”を下敷きにしたノベライゼーションである。勿論フィクションだ。 この事件は、恐らくまだ多くの人の記憶に残っている事件ではないだろうか。その後も、少年犯罪などでショッキングな事件は次々と起きているけれど、殺された側にこれだけの…

『永遠の1/2』佐藤正午原作・根岸吉太郎監督(1987年)(ビデオ)

昨年、本を読んだあと、どうしても映画化されたものも見たくなり、レンタルビデオ店などを探したのだが、なかなか見つけられなかった。ようやくYahooのオークションで見つけたものが、全然入札もなく300円で落札。ああ、オークションって有りがたいとつく…

『ふたたびの恋』野沢尚原作・脚本(PARCO劇場)

主人公の2人は、それぞれが脚本家。男のほうが先輩で、シナリオ教室の生徒として知り合ったのが女。これ以上はストーリーそのものと関わってくるので話すまい。その二人の共同作業で作り上げる脚本のストーリーと、2人自身の恋の物語がシンクロしていくと…

『ゴロヴリョフ家の人々』永井愛脚本・演出(新国立劇場小劇場)

これで3本目となる、永井愛脚本作品の観劇。たまたまということもあるのだろうけれど、題材として扱われたものが3本とも、まったく異なるのだけれど、どれも実に面白いものばかり。演出はどれも地味なのだけれど、話の展開と会話の面白さは、本当に群を抜…

『ああ、結婚』永倉萬治著(集英社)

どれを読んでも同じよう、と言ってしまうと、よい意味で受け取られないかもしれないけれど、この人の数多くの短編集について僕が思うのは、どれも同じようだけれど、なんかどれを読んでもホンワカとして雰囲気がよいという好意的な意味である。この短編集は…