2004-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『42nd Street』(新宿厚生年金会館)

初演が1980年、その後日本にきたのはいつのことだったのだろう。おそらく15年とかの昔になるのだろうが、このときに忘れもしないNHKで完全なテレビ放送されたものを見て、小さなテレビ画面ながらその素晴らしさに圧倒され、いつか本物を見たいと思…

『だれかのいとしいひと』角田光代著(文春文庫)

8編の短編からなる短編集。初めて読む作家である。どれもなんとなく後をひく余韻を残す不思議な味わいがある。童話作家から一般の小説へと幅を広げてきた作家らしく、文章は平易でどことなく童話っぽい感じもある。読み終わったあとに残る不思議な余韻のも…

『写真家のコンタクト探検』松本徳彦著(平凡社)

(“コンタクト”とは、所謂“ベタ焼き”のこと。) お手軽なカメラで、露出をカメラに頼ったり、あるいは露出もスピードもカメラに頼ったり、さらにはその上ピント合わせまでカメラに頼る、そういう写真の撮りかたに慣れていると、同じ被写体を何枚も写すという…

『旅するカメラ2』渡部さとる著(耷文庫)

時々日記の中でも紹介したワークショップの先生の著作。どれくらい前からなのか忘れてしまったが、僕にとっては、同じさるさる日記をつけておられたこの人の日記を読み始めたところから、ほんの小さなつながりが始まった。当初はカメラマンである渡部さんの…

『エレファント・バニッシュ』サイモン・マクバーニー演出(世田谷パブリック・シアター)

村上春樹の短編小説、「象の消滅」、「パン屋再襲撃」、「眠り」という3作品をモチーフに作られた舞台。オムニバスとしても見られるけれど、雰囲気を共有し合う連作のようなものとして、見るべきものだろう。 実は昨年の初演に続く再演なのだけれど、昨年は…