2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧
猫を小道具(?)に使った短編集。 実際にタイトルにもなった一編を読むまで、 “左腕(さわん)の猫”、と思っていたが、 勿論、よく考えればそんなはずはなく、 “左腕(ひだりうで)の猫”なのである。短編というと、無駄なものをできる限り 削ぎ落として成り…
冒頭の一文は次のようなものだ。『日本史のなかで、松倉重政という人物ほど忌むべき存在は少ない。』ここから一気にに引き込まれてしまうのは筆が熱いからだろう。 その熱さの底にあるのは“怒り”“憤り”の感情だ。理不尽なほど苛烈な年貢・租税の取り立てで、…
出だしの“ファンタジー”の登場にはちょっと面食らう。 どうしてこんな奇異なものを、わざとらしいほどさりげなく登場させるのだ、という感じ。次第にその存在に馴染んでくると、重要で不思議なポジションではあるが、でも脇役だし、と感じられるようになって…