2003-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『ピルグリム』鴻上尚史作・演出(新国立劇場)

開演前に、ちょっとだけ腹ごしらえを、と思い初台のコンビニで買物をして入る。小さなテーブルで梅干のおにぎりを食べ始めたら、目の前数メートルの受付脇に鴻上さんがいた。赤いシャツを着て、入場してきたお客の様子を窺っていたようだが、目が合ってしま…

『金輪際』車谷長吉著(文春文庫)

今更ながらだけど『赤目四十八瀧心中未遂』は、もう読まれましたか? 僕にとって、ここ数年の読書の中で、最もインパクトがあったのが、この作家の直木賞受賞作のこの小説でした。それ以来ポツポツと著作を見つけては読んでいます。私小説作家として有名です…

『桜桃とキリスト(もう一つの太宰治伝)』長部日出雄著(文藝春秋社)

およそ本(小説)好きの人であれば、ほとんどおそらく、ある時期に、太宰治という作家に熱中した経験があるのではないか。ボクの場合も、母親から薦められた『津軽』をきっかけにして、中学から高校にかけて、次から次へと続けて読んだ経験がある。 しかし、…

『Sweet Sixteen』(新宿武蔵野館)

映画を見る場合、ボクはできるだけ事前に何も情報を入れないようにして見たいと思っている。最近は映画もドラマも、“見どころ”などとと称して公開前におおかた解説や映像を丁寧に教えてくれたりすることがあるけれど、見たいと思う映画ほど、できるだけそう…

『新版 貧困旅行紀』つげ義春著(新潮文庫)

マンガもいいけれど、この人の書くものには文章にも独特の味わいがあって好きだ。昔からポツポツとは読んでいたのだけれど、数年前、新潮文庫から3冊にまとめられた漫画が出て、気が向くと何度も読み返したりしている。『無能の人』などは、本当に何度読ん…