2003-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『ベトナムの人』板垣真理子著(三五館)

昨日、ブックオフの100円本コーナーを端から端までながめていった中で、“ベトナム”のタイトル文字に目をとめパラパラとめくってみたら面白そうで買ってみた本。こんなふうに見つけた本がよい本だととっても得をした気になる。1996年発行と、いささか…

『マサイの恋人』コリンヌ・ホフマン著(講談社)

面白いというか、ヘンなというか、とんでもないというか、そんなノンフィクションである。スイスでリサイクルブティックを経営していた27歳の女性が、旅行に行ったケニアでマサイの男(戦士)に一目惚れをする。押しかけ女房のような強引なアタックの末、…

『ローズ・ガーデン』桐野夏生著(講談社文庫)

シリーズ物として続く村野ミロを主人公とした短編集。シリーズの内容として長編にならない題材を短編にしたかな、と思われるようなものと、まさに番外編的なちょっと趣の異なるものとが入り混じっている。そしてどれもなかなか面白かった。 4編のうち3編は…

『見仏記2』いとうせいこう/文・みうらじゅん/絵(角川文庫)

最初の本(1巻)の最後は、いとう氏とみうら氏が、三十三年後に三十三間堂の前で再開し、再び“見仏”の旅をするという約束で感動的(?)に締めくくられているのだけれど、何故か1巻の次の年にふたたび見仏の旅に出た二人の“見仏記2”なのである。 1巻の感…

『エロ街道五十三次』『大エロ捜査網』松沢呉一箸(青弓社)

二冊まとめてしまうのは、本意ではないのだが、姉妹本のようなものでもあるので許されたい。以前『エロ街道を行く』(ちくま文庫)でも取り上げた松沢呉一氏の二冊。あちこちの雑誌などで連載していたものをまとめた物であるようだ。再版は著者の意向でしな…

『辻音楽師の唄(もう一つの太宰治伝)』長部日出雄著(文春文庫)

今年の1月に読んだ『桜桃とキリスト』の前編にあたる太宰治の伝記。生まれたときから作家として世に出るあたりまでのことがまとめられている。この文庫版のあとがきにもあるのだが、この本が出たあとでNHKの教育テレビで、長部日出雄氏が太宰治の縁の場…

『パートタイマー・秋子』劇団青年座第167回公演(紀伊国屋ホール)

脚本永井愛というところで辿っていった観劇。紀伊国屋ホールは久しぶりだった。さすがに歴史のある劇団ということでなのだろうが、観客の年齢層は極めて高い。もちろん僕の年齢以下の人も多いが、自分の年齢を基準にしてもそれ以下より、確実にそれ以上の年…