2003-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『活動写真の女』浅田次郎著(集英社文庫)

甘酸っぱい青春、どこか懐かしさを感じさせるような郷愁、さらに恋愛、ミステリーと様々な要素をうまくブレンドして出来上がった小説らしい小説とでもいったらよいだろうか。 前にもこの人の小説のところで書いたような気がするけれど、うまいなあと思う。そ…

『ニュー・パラダイス・タウン』離風霊船(ザ・スズナリ)

小さなスズナリの座席が、当日券含めこれでもかというほどいっぱいであった。最近の2本を見落としているので、僕にとっては久しぶりの離風霊船公演。秩父のそのまた山奥を突然開発して出来上がった“ニュー・パラダイス・タウン”。当初の計画がまったくの誤…

『見仏記』いとうせいこう/文・みうらじゅん/絵(角川文庫)

我が家の夫婦は、散歩友達でもあり“読書友達”でもある。お互いに好みの本について聞き、話し、勧めるわけである。勧められなくても相手が読んだ本は家の中に並んでいるので、“なんかないかなあ・・・”と書棚をあれこれ探して、ちょっと読んだことのない本を…

NODA・MAP『オイル』(シアター・コクーン)

NODA・MAP公演としては4年前の『パンドラの鐘』、翌年の『カノン』以来となるのだったかな。『パンドラの鐘』が、野田さんの芝居としては珍しく現代(現在)へのアプローチがあって、少々びっくりしたのだけれど、その後の『売り言葉』でも、エンディングに…