『ジェイン・オースティンの読書会』

ジェイン・オースティンの読書会ロビン・スウィコード監督(2007米)

本を読む、という行為を物語りの中心に据えた映画である。他の本好き(読書好き)の人はどうだかわからないが、少なくともボクは、けっこう人の読書スタイルに関心がある。
“読書スタイル”なんていうと大袈裟だが、要は、ある人がどんな本に関心を持ち、それが何故なのかを含め、どんなふうに本を読み、それをどんなふうに“消化”していくか、というようなことだ。
なので、こういった“読書”そのものを通じてストーリーが動くということだけで、かなりの関心を持つのだ。例えば日本でも少し前に『いつか読書する日』という映画があったし、フランス映画でも『読書する女』なんていう映画があった。(どれもしっかり見ている)

で、今回は、読書は読書でも、読書スタイルは“読書会”である。つまり独り孤独に本を読むわけではなく、みんなで同じ本を読んで、あ〜だこ〜だ、と話し合うわけです。実はこういう読書も、とても関心があるのだけれど、学校の授業とかを別にすると、残念ながら実際には体験していません。

と、かなり前置きが長くなってしまったのだけれど、この映画は、妙齢の女性(プラス数人の男性)が読書(会)を通じて、自分を見つめ、他人と語り合い、自らを変化させていく、というオハナシである。で、その題材となるのが、ジェイン・オースティンという200年近くも昔の女性の作家なのですが、実はハズカシながらその小説に関しては未読であります。
ただ、映画自体は、小説を全く読んでいなくても、ほぼ問題なく楽しめる内容と言えるでしょう。いや、もしかすると、そういった知識がないほうが、余計なことを考えずに映画として楽しめるかもしれないとも思えます。

最後は、絵に書いたような、何もかもうまくいくハッピー・エンド。賛否はあろうかと思われる最後だけれど、まあ好き嫌いでいいのでしょう。ボクとしては、どんでん返し的な部分がないところに、逆に好感が持ててOKかな。