2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『優しい子よ』大崎善生著(講談社)

4つの短編からなる小説集。タイトルにもなっている一編が冒頭に置かれ、内容的には最後に置かれた4つめの作品と呼応している。そして2・3番目の短編は、これはひとつの中編の前後編といった感じで読める。作者自ら私小説なのかノンフィクションなのか、…

『夏物語』(2006年韓国)

なんとなくありふれた感じ、と言えなくもないけれど、それを飽きさせずに見せるという部分では、よく出来ているという印象を持ちました。まだ上映中なのでネタバレは避けますが、一言で言えば、青春恋愛映画、と言ってしまえる内容です。主演のイ・ビョンホ…

『珈琲時光』(2003年日本)(ビデオ)

封切りの時に、確か新宿高島屋にある、テアトルタイムズスクェアでやっていたと思う。もともとアイマックスシアターだった、大きなスクリーンと傾斜のある座席の仕様がけっこう好きな映画館で、見たいなと思っていたのだが、結局見逃していた。 地味な作品だ…

『無名』沢木耕太郎著(幻冬社)

出だしの数行を読んで、自身のことについて書いた小説だろう、という印象を持って購入した。読み進めていくと、それには違いないのだけれどちょっと趣が違う。父親を看取るという、ある特別な出来事についての私小説であった。 この人の文章には、どの作品に…