2002-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『北朝鮮に消えた友と私の物語』萩原遼著(文春文庫)

先日、中国瀋陽の日本総領事館に北朝鮮からの駆け込み事件があって、なんともタイムリーな本になってしまったが、実は一ヶ月ほど前にたまたまブック・オフの100円コーナーで見つけて買ってあった本である。奥付けを見ても、文庫版が出版されてちょうど一…

『恋愛中毒』山本文緒著(角川書店)

この人の本をあんまりメジャーになる前から、けっこう読んでました。もちろんコバルト文庫はパスしてますが・・・・・・。なんだか読むたびに、女の人ってこんななの・・・、みたいな感覚が面白くて。一番好きなのは『群青の夜の羽毛布』(幻冬舎文庫 )かな…

カンディンスキー展(国立近代美術館)

珍しく、本日展覧会に行ってきました。新装開店の国立近代美術館です。 どうしてこの人の絵が好きなのか、自分でもはっきり伝えることは出来ないけれど、どれを見てもいいなあと思う。毎年カレンダーを部屋にかけているのだけれど、ぜひ本物を見てみたいと思…

『透光の樹』高樹のぶ子著(文春文庫)

ある時期この作家の本は何冊か続けて読んでいたのだけれど、ちょっと飽きてしまって今回随分久しぶりに読みました。ある種のパターンから外れないところが、飽きられる危険を持つとともに、固定的なファンにはたまらないところなのかなと思ったりします。 僕…

『ぬくもり』藤田宜永著(文春文庫)

短編5編からなる小説集。短編小説の定番といったところで、過度に入れ込まず、しかし程々には胸が波立つ感じがいい。雰囲気があって、余韻が残る『風鈴の女』が特に印象に残る。どれも面白く読めるのだけれど、読み終わって、思い返してみるとなぜか印象に…

『新宿鮫・風化水脈』大沢在昌著(光文社)

久々の新宿鮫シリーズだ。直木賞受賞の4作目『無間人形』を最初に読んだあと、一作目から順に読んできた。ちょうどミステリーというジャンルを読み始めた頃のタイミングなので、かなり印象深いシリーズなのである。その後そこそこ面白いものの、イマイチ物…

『蚊トンボ白鬚の冒険』藤原伊織著(講談社)

どちらかというと寡作な人で、一応デビュー作から全部を読んでいる作家の一人。新聞広告でこの本の広告が掲載されていたのだが、著者の写真がいっしょに掲載されており、初めてご本人を見たのだが、作品の雰囲気が骨太のわりに、とっても線が細い感じだった。…