2002-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『菜摘ひかるの私はカメになりたい』菜摘ひかる著(角川文庫)

僕は、自分で自分のことを、感情の振れ幅の狭い人間だと思っている。嬉しいこともほどほどに喜び、悲しいことも、そこそこに悲しむ。苦しい時も平気な顔でやり過ごし、楽しいときも淡々として“別に・・・”という表情でいる。面白くもなんともない人間である。…

『グーグーだって猫である-2』大島弓子作(角川書店)

普段、マンガはあまり読まない人なのだけれど、決して嫌いなわけではない。好きなマンガは何度でも読むし、単行本が出れば買って読む。ちょっと癖のある人が多いんだけど・・・・・・。 この人のネコを題材にしたマンガは、その中でも大好きなもの。以前の“…

『ダーク』桐野夏生著(講談社)

デビュー作から続くミロの物語。今回で何かしらの完結を見るのかという思いがしていたのだけれど、最後まで読んでみると、このままでは終わらないなという気がする。そのデビュー作から1〜2作を除いてほとんど読んできていて、先日も『OUT』のレビュー…

『Side-B』佐藤正午著(小学館)

お気に入りの佐藤正午さんの新刊ですが、これは小説ではなくエッセイ。といっても、競輪関連の新聞や雑誌に掲載された競輪ファン向けの文章ということになるかな。デビュー作の『永遠の1/2』からずっと書かれたものを読んでくると、この人と競輪は切って…

『精神科に行こう』大原広軌著 藤臣柊子(マンガ)(文春文庫)

副題に“心のカゼは軽〜く治そう”とついた、まあ言うなれば軽〜い心の病の治療体験記みたいな本である。う〜ん、この人たちは心を病んだ経験者なのか、と思うと、文章や、各章ごとに挿入されるマンガの妙にハイテンションなところも、それとなくうなずいてし…