2004-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『吉行淳之介エッセイ・コレクション2』荻原魚雷編(ちくま文庫)

ちくま文庫で全4巻で刊行が始まった吉行淳之介エッセイ集の2巻、副題として“男と女”が付いている。 自己紹介のところで、好きな作家にもあげているのだけれど、こうして書いたものを読むのは随分と久しぶりのことだ。 僕が本(小説)に興味をもってから、…

『もうひとつの季節』保坂和志著(朝日新聞社)

1998年の秋、朝日新聞の夕刊に連載された小説ということだ。僕は実のところ今まで新聞の連載小説というものを読んだことがない。文芸誌なども決まって購読しているものはないので、雑誌の連載小説というのも読んだことがない。どうもそういう読み方が出…

『ハルシオン・デイズ 〜もうひとつのトランス〜』鴻上尚史作・演出(紀伊国屋ホール)

元祖(?)『トランス』はどれくらい前だったか、あまりはっきりした記憶がないのだけれど、一応初演と再演と2回とも見ているが、もう少し多様で複雑なストーリーだったような感じがする。今回の『ハルシオン・デイズ』は“〜もうひとつのトランス〜”という…

『夜の果てまで』盛田隆二著(角川文庫)

『夜の果てまで』というタイトルは文庫化にあたっての改題ということのようです。単行本出版時は『湾岸ラプソディ』というタイトルだったようですが、どことなく甘酸っぱいような、あるいは明るい雰囲気も感じる"湾岸ラプソディ"よりは、『夜の果てまで』の…