『ギター弾きの恋』(ビデオ)

ビデオでの鑑賞。ウディ・アレンは比較的好き嫌いの好みがはっきりでる映画作家ではないか。僕はわりと昔からのファンだけれど、その話をすると、だいたいは好きか嫌いかのはっきりとした反応があるように感じる。この『ギター弾きの恋』は、語り口・作風や肩の力の抜け具合はまさにウディ・アレンそのものだが、いわゆるコメディーのジャンルに入る映画ではない。

ギターの演奏の技術は天才的だが、育ちが悪く、お酒に溺れるタイプのギタリスト(もちろん架空の人物)、エメット・レイという主人公をさまざまな知人や研究家の証言を交えながら綴っていくという形式。友人といっしょにナンパして知り合った言葉の不自由な女性ハッティと深い仲になるにもかかわらず、別の女性と結婚し・失敗。後にハッティと再開することになるが、すでに元にはもどることが出来ない状況で・・・・・・、というちょっとほろ苦いストーリー。時代は大恐慌の頃だから、さらに古い時代だが、雰囲気としては『ラジオ・デイズ』に近いと言えるかもしれない。

エメット役のショーン・ペンもなかなかいい感じだし、ハッティ役のサマンサ・モートンという女優さんが可愛らしくてとてもいい。出ている間は、なんか食べ続けているような印象だが、その食べっぷりが実にいい。なんて思ってちょっと調べてみたら、アカデミー賞ゴールデン・グローブ賞などにノミネートされたとのことでした。