『シーズン・チケット』

主人公の2人の少年が、自分たちがファンであるサッカーチームのシーズンチケットを手に入れようと、奮闘するというストーリー。奮闘といっても、子守りからゴミ回収、万引きから銀行強盗まで、とにかくあらゆることを思いつくままにやっていくのだが、でこぼこコンビの2人の主人公のこの奮闘ぶりは、見ていてなんとも健気で応援したくなってしまう。貧しい環境で育った様子もあまり悲惨な感じは受けないし、悪いことをしていてもシリアスにはならず、なんともいえないほのぼのしたタッチで描かれているところがいいです。

イギリスのサッカーリーグというのは、きっとこうした地域に根ざした熱狂的なファンに支えられているのだろうなというのも垣間見られて興味深いし、街の集会所みたいなところで、みんなが集まってビンゴをしているところなども、イギリスってこういう楽しみがあるのかというのを知ることが出来て、なんか庶民的な好奇心も満たしてくれる。ラストもただのハッピーエンドではなくて、ちょっとほろ苦いんだけど、粋なエンディングという感じかな。とにかく雰囲気がイギリスそのもので、それが好きな僕にはたまらない映画でした。