『13days』(ビデオ)

ビデオでの鑑賞。ケネディ大統領の時代のキューバ危機の13日間を描いたもの。アメリカ映画にしては、地味な演出だったが2時間半あまりの長丁場も飽きずに見られた。

キューバ危機と言っても、実際はアメリカとソビエトの対立がキューバという国において展開された事件であり、一触即発の場面がどのように回避されたのかという点においてはとても興味深く感じた。政治というものは様々な対立軸が絡まりあったもので、一国の中においても政治的対立(この映画で言うとアメリカ国内のいわばタカ派ハト派)のせめぎ合いがよく見て取れる。そうした状況の中で最高度の危機管理の責任者としての大統領の役割が、どれほどのものだろうかと想像に難くない。

それにしても感じたのは、これほどの対立とはいえ、国家と国家との対立や紛争はある意味でルールのある土俵(というかリング)での戦いであったわけだ。それに対して、例のテロを手段とした対立や紛争は、ルールはおろか、時と場所をも心得ないものなわけで、当時と比較するとその危機管理の質的な違いを感じないわけにはいかない。