『夏物語』(2006年韓国)

なんとなくありふれた感じ、と言えなくもないけれど、それを飽きさせずに見せるという部分では、よく出来ているという印象を持ちました。まだ上映中なのでネタバレは避けますが、一言で言えば、青春恋愛映画、と言ってしまえる内容です。

主演のイ・ビョンホンという人、テレビも含めていくつか見てはいますが、僕の中の印象ではいまいちパッとしない人だったのですが、今回はよかったですね。けっこうハードなアクションものとかもあるけれど、こっちのほうがキャラクターとしてはハマっている感じがします。この映画で演じる役の設定が、大学生と60歳を過ぎた老人というのは少しキビシイ感じもしましたが、韓国映画というのは、以外とそういう設定を平気でやってしまうところはあるので、慣れるとあまり気になりません。

観客は20人ほど。ちょっと年配の夫婦かと思うカップルで男性1人のほかは、ボク以外みな女性でした。イ・ビョンホン目当てということでしょうが、始めて見たスエという女優もよかったです。特に泣く演技はグッとくるものがありました。

政治や社会体制という国の持つ歴史も背景として出てはくるのですが、ここでは恋愛映画のスパイス程度の扱いで、多少物足りなさもあります。
それと最後のエンドロールで流れる歌、あれはどうもなあ、と思います。映画本編でしっかり盛り上げたら、あとは静かに終わってほしいものだと思うのですが・・・。 

ところで、映画を見ている途中からなぜか、あ〜自分は歳をとったなあ、という感覚が頭の中に浮かんでは消え浮かんでは消え・・・していました。この映画の何がそうさせるのだろうか、というようなことを考えていましたが、どうも自分では説明がつきそうにありません。ただ、そんな感覚が余計にこの映画の切なさに繋がっているような感じはあったのではないか、と思えるのです。